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心斎橋エリアのアートスポットをご紹介

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貸しギャラリー

ギャラリーササキ商店

そこは、路地の奥にある隠れ家。
静謐な空間が広がる貸しギャラリー。

ギャラリーササキ商店は、御堂筋から路地を入ったところに立つビルの3階にある貸しギャラリー。路地を行きあたると突如あらわれる、スタイリッシュな扉と「ササキ」という文字看板。扉を開く時から、まるで隠れ家に招かれたような高揚感が始まります。

ギャラリーに一歩入ると、そこには街の喧騒とかけ離れた静謐な空間がありました。パーテーションや余計な装飾を省いた白を基調とするワンフロアは、広くて開放感たっぷり。部屋奥にある窓の外には心斎橋筋のアーケード屋根が広がり、ベランダに置いた鉢植えの緑越しにやさしい陽光が入ります。吹き抜けの中庭には木々が植えられ、空間に憩いをもたらしています。

この場所には、大正時代から70年以上続いたササキ洋装店がありました。幼少期から家族でここに暮らしていたオーナーの佐々木安英さんは、20年以上洋画や刺繍を習い、アートに深く親しみながら過ごしてきました。洋装店を閉めて老朽化したビルを建て替えた際に、アーティストたちの発表と交流の場を設けたいと3階にギャラリーをオープンさせる運びとなりました。

ギャラリーのコンセプトは、大人がアートを楽しめる場所づくり。洋画や刺繍に携わってきた自らのネットワークを生かした洋画展や刺繍の展示会、ワークショップが充実しています。また、クラフト市をめぐるのが趣味という佐々木さんの意向もあり、染織や陶芸など工芸の展覧会も行っています。

佐々木さんは気に入ったアーティストがいれば全国各地に出かけ、展覧会の実施を呼びかけています。「日本各地に素晴らしい工芸作家さんがおられ、伝統を守り伝えたり、自らの表現を模索したりしています。彼らに活躍の場をご提供し、大阪の皆さんにも彼らのことを知ってほしい」と佐々木さんは言います。

佐々木さんにとって、家族の想い出とともにある心斎橋は、ひときわ愛着のある特別な場所。「幼かった頃は、ここにしかない店や場所がたくさんありました。心斎橋へのご恩返しではないですが、ここにしかない何かを発信できたらうれしいですね」とやわらかな微笑みとともに語ってくれました。